「お前、どういう人生送ってきたらそんなに強がれるんだ。見た目はその辺にいる普通の女と変わんねぇのに、平気で男に立ち向かってくる。その根性はどこから来んだよ」


銀星がこんなに長々と話すのを聞いたのは初めてかもしれない。
そんな呑気な思考をすぐに打ち消して、私はそっぽを向いた。


「どうだっていいでしょ」


投げやりに答えると、銀星が私の背中を抱く手に力を込めた。


「よくねぇよ。お前のことは全部知りたい」


今日の銀星はえらく積極的で、昨日の獰猛な獣みたいな表情は影も形も見当たらない。
そのせいか、大嫌いな男の膝の上にいるというのに、段々リラックスしてきて、そんな自分の変化が私は許せなかった。


「絶対教えない」


我ながら子供っぽいとは思ったけど、銀星が私を知りたいと言うのなら、教えてなんてやるものかと思った。
銀星はそんな私に何を思ったのか、私の顎を掴んで強引に振り向かせると、至近距離で私の顔を見つめた。


「お前は俺のもんだ。逆らうことは許さねぇ」