私はゆっくりと銀星に視線を向ける。


銀星は烈しい怒りを孕んだ眼差しを木下に向けていて、今にも噛みつきそうな獰猛な獣のようだった。


「……なんでこんなことするの?」


私が声をかけると、銀星の瞳がこちらに向けられる。


銀星は何も答えず、私を見つめたままこちらに歩み寄り、私は銀星から木下を庇うように両手を広げた。


それを見た銀星の動きが止まる。


緊迫した空気が流れ、野次馬達もシンと静まり返っている。


「姫川……俺……」


背後に立つ木下がボソッと何かを呟く。
よく聞き取れなくて、私は木下のほうを振り返った。


「木下……?」