「本当に男慣れしてないんだな。お前のそういう顔を見た男は俺だけか」


「……そういう顔って、どんな顔……」


荒くなった呼吸を整えながら、言葉を絞り出す。
銀星はそんな私を見てふと真顔になり、囁くように言った。


「そんな顔、他の男には絶対に見せるな。触れることも許さねぇからな。ほんとは話すことすらさせたくないが、お前をここに閉じ込めるわけにもいかねぇし……仕方ないから許してやる」


物騒なことを言いながら、銀星は私の頬を撫でた。


本当に、この男は私を何だと思っているのだろう。まだ出会ったばかりで付き合っているわけでもないのに、当たり前みたいに自分の所有物として扱ってくる。
銀星の言いなりになる気なんかこれっぽっちもない。
そう決意を新たにして、私は銀星を睨みつけた。


「……俺をそんな目で見る女はお前くらいだ。しつけ甲斐がありそうだな」


「誰があんたなんかに……」


その時、銀星が私の首筋をぺろりと舐めた。びくりと身体を震わせた私を、銀星が嘲笑う。


「……お前を見てると、かわいすぎていじめたくなる。もっとそういう顔を見せろよ」


「……っ」