……もう、我慢が出来なかった。


「やめなよ。弱いものいじめとか、高校生にもなってみっともない」


私がそう言うと、男子生徒達が一斉に振り向く。


「……何だ、お前今年入ったっていう女子生徒か」


私の姿を見て男子生徒達は顔を見合わせ、ニヤニヤしながらこちらに歩いて来る。


「今どき三つ編みなんて、古風だねぇ?」


「地味だけど、顔はかわいいじゃん。俺らが遊んでやろうか?」


男子生徒達は私の周りに集まると、私をじろじろと眺めて肩や髪に触れてくる。
今朝、時間をかけて編み込んだ背中まである三つ編みをいじられて、私はふうと息を吐き出した。