そう言ってテーブルの上の缶ジュースを指し示すが、私は首を横に振って友幸の好意を辞退した。


「それより、私に何か用があるんでしょ?だったらさっさと済ませてくれない?」


「てめぇ、女だからって調子乗りやがって……!」


賢翔がもう我慢ならないと言いたげに怒りを顔に滲ませて私に迫るが、その時ずっと黙っていた銀星が口を開いた。


「やめろ、賢翔」


その一言で、賢翔が発していた殺気が消える。


「でも、銀星さん……」


納得がいかないのか銀星を振り返る賢翔に、銀星は静かな怒りを孕んだ眼差しを向けた。


「その女に手ぇ出したら殺す」


「……っ、わかりました……」


銀星の放つ冷徹な雰囲気に怯えたのか、賢翔は大人しく命令に従った。


「……あー、俺らお邪魔みたいだから、もう行くわ。ほら賢翔、行くぞ」


「は、はい……」


友幸と賢翔はそう言うと教室を出て行った。