「物騒だな」


私の足首を、銀星が掴んでいる。


私の蹴りを受け止めることが出来るのは、お兄ちゃんだけだと思っていたのに。


「……っ」


私は体勢を立て直そうと足に力を入れるが、びくともしない。
それどころか、掴まれた足を引っ張られてコンクリートの上に引き倒される。
思いきり尻餅をついた私は顔をしかめ、立ち上がろうと身体を起こすが、それよりも早く銀星が私の上にのしかかってきて、押し倒された。


銀星は私の肩を掴んで身体を動けなくし、もう片方の手で私の顎を掴み、値踏みするように眺める。


「……っ、退けよ……!この……!」


私は何とかして銀星の下から出ようと必死に暴れるが、私を押さえつける力が強くて歯が立たない。


「お前の負けだ。大人しく負けを認めろ」


銀星は冷めた目で私を見下ろしながら言った。


「……っ」