「美羽……俺、学校辞めることにした」


突然投げかけられた銀星の言葉に、私は目を瞠った。


「……え……なんで……」


「あの人は逮捕されちまったし、もう学校なんか通わせて貰えねぇと思うから。ちょうど友幸の親父の仕事手伝うっていう約束してたから、そこで働こうと思う」


銀星は何でもないことのように言った。


友幸の父親というのは、確か裏社会の情報屋だとさっき話していた。
裏社会なんて危なそうなところに足を踏み入れるのは、心配だった。


「……大丈夫だ。俺は絶対にお前をひとりにしねぇよ。約束する」


銀星は安心させるように言って、私を抱きしめてキスをした。
私も銀星の背中を優しく抱きしめる。


「……これからは、私が銀星を守るからね」


私はそう呟き、笑った。