銀星はリラックスしているのか穏やかな表情をしており、賢翔や友幸が場を盛り上げてくれて、終始和気藹々とした雰囲気だった。


夕食を食べ終えて賢翔と友幸は帰って行き、私は洗い物を済ませてからお風呂に入った。
お風呂から上がると、リビングで銀星とお兄ちゃんが話をしていた。


「そうか……あの人が美羽の存在を知って、美羽に手を出すとわかったから、志王はあの人を告発したんだな」


あの人……銀星の父親のことだろうか。


盗み聞きは良くないと思いつつ、私はリビングのドアの前から動けなかった。


「……ほんとは、こんなことしたくなかったけど。俺はどうなってもいいが、弟の今後の人生のことを考えると、父親が犯罪者っていうのはマイナスにしかならねぇから」


銀星の声は落ち着いているが、どこか悲しげだった。