女性はリビングを出て階段を上がっていき、ひとりきりになった私は気を落ち着かせる為に出された紅茶を飲んだ。


だが、いつまで経っても銀星は姿を見せない。


不審に思った私は立ち上がるが、その瞬間目眩に襲われて、視界が黒く染まった。
立っていられなくなり、床に倒れ込む。


「……やっと効いてきたみたいね。安心して、ただの強めの睡眠薬だから。悪いけど、今は貴方を銀星に会わせるわけにはいかないのよ」


女性の声がすぐ側で聞こえる。


私はお兄ちゃんを呼ぼうと口を開くが、声を出せずに意識を失った。