すると、紅茶を淹れながら女性が言った。


「貴方、あの子の彼女?」


「え……いや、そういうわけではないんですけど……」


私は言葉に詰まった。


「ふぅん。あの子、女癖が悪いから、多分貴方も騙されてるわよ。ほんと、しょっちゅう問題を起こしてくれて、いい迷惑だわ」


その刺々しい言い方に、私はお兄ちゃんが言っていた、銀星は家庭内で孤立しているという言葉を思い出した。


……この人は、銀星のことが嫌いなんだ。
私にも、それがはっきりとわかった。


「どうぞ」


目の前に紅茶が出される。インスタントのティーパックを使って淹れられた、ごく普通のダージリンティーだ。


「ありがとうございます」


「じゃあ、呼んでくるから少し待っていて」


「はい」