私ひとりで家に上がるのは緊張するけど、銀星がいるなら大丈夫だろう。


ドアが開いて、現れたのは思ったよりも若い女性だった。


「……どうぞ」


「失礼します」


中に入り、よく磨かれた大理石の床を歩いて、リビングに通される。


「座って。今お茶を淹れるから。紅茶でいい?」


「あ……はい。ありがとうございます。あの……銀星くんは……上ですか?」


「ええ。後で呼んでくるから、ここで待っていてちょうだい」


「……わかりました」


てっきり銀星の部屋に通されると思ったのだが、彼女がそう言うのなら仕方ない。


というか……この女性は、一体誰だろう。
銀星の母親は亡くなっているはずだし、顔も銀星と全然似ていない。