オオカミボーイフレンド

銀星の家は3階建てで、1階は車庫になっており、階段を上がった先に玄関があった。
お兄ちゃんは階段の下の門の前でインターホンを押した。


私は少し緊張して、ゴクリと唾を飲み込んだ。


『はい』


女性の声がして、お兄ちゃんはインターホンに向かって言った。


「すみません、昔銀星くんの担任だった姫川という者ですが、銀星くんはご在宅ですか?」


その言葉に、女性は沈黙を返した。


そしてはぁっと息をつくと、面倒そうに言った。


『……あの子なら部屋にいますけど。でも、貴方うちの人にあの子に近付かないように言われてますよね?家に上げるのは、そちらのお嬢さんだけですよ』


「……わかりました」


通話が途切れ、お兄ちゃんは私に向き直って真剣な顔で言った。


「ごめん、俺は外で待ってるから、美羽だけ志王と話をしてきて」


「……わかった。行ってくる」


私は頷き、階段を上がって玄関前に向かった。