オオカミボーイフレンド

「私が、絶対に銀星をひとりぼっちになんかさせない。だから、もうそんなに自分を責めないで」


固い決意を込めて言うと、お兄ちゃんは泣きそうな顔で笑った。


「……ありがとう、美羽……頼もしくなったな……」


「もうあれから3年も経ったからね。……でも、事件のこと話しちゃってよかったの?」


父親には、事件のことは誰にも告げるなと言われていたはずだ。


「……俺、失踪してた間に色々やっててさ。志王の父親の汚職事件の証拠を手に入れたんだ」


「汚職事件……!?」


さすがに私も驚いた。お兄ちゃんは今まで一体どこで何をしていたのだろう。


「俺が警察に訴えれば、父親は逮捕される。だけど、志王がそれを望むかどうかはまた別の話だ。だから、近いうちに志王の家に行こうと思う。ちゃんと話がしたいんだ」