「おい、姫川!」


後ろから、お店を探していた木下が声をかける。


「パンケーキのお店、見つかった?」


「おぉ……じゃなくて!こんな目立つとこで騒ぎ起こすなよ!サツに見つかったらやべぇだろうが!」


木下は本気で心配しているのか、私の両肩を掴んで顔を歪ませた。


「大丈夫だよこれくらい」


「でもさ……」


木下がさらに何か言おうと口を開いた時。
こちらに歩み寄る男がいた。


……志王銀星。


収まりかけていた緊張感が、再び私の全身を駆け巡る。