私はお兄ちゃんの向かい側に腰を下ろし、お兄ちゃんが口を開くのを待った。
お兄ちゃんはお茶を一口飲んでから、顔を上げて私を見る。


「……勝手にいなくなってごめんな」


「……うん。すごく心配したよ」


「ああ、そうだな……あのさ、美羽」


お兄ちゃんが意を決したように、真剣な眼差しを私に向ける。


「志王と付き合ってるのか?」


……お兄ちゃんにとって銀星は、学校を辞めさせられる原因を作った、憎い相手かもしれない。


それでも、私は自分の気持ちを偽ることは出来なかった。


「……付き合ってるのかって聞かれると微妙だけど……私は、銀星のことが好きだよ。銀星も、多分同じ気持ちでいてくれてると思う」


私が正直に自分の気持ちを明かすと、お兄ちゃんは少し驚いた顔をしてから、優しく微笑んだ。