私はお兄ちゃんに駆け寄り、少し痩せたその顔をじっと見た。


「……うん。ただいま、美羽。心配かけてごめんな」


そう言って、私の頭を優しく撫でる。
私は嬉しくて、涙が溢れるのを必死に堪えた。


しかし、お兄ちゃんが銀星に目をやると、銀星はお兄ちゃんから目を逸らし、足早にその場から立ち去った。


「銀星……?」


思わず名前を呼ぶ。


お兄ちゃんはそんな私を見て何かを察したのか、少し悲しげな顔をした後、穏やかに微笑んだ。


「……とりあえず、中に入ろう。話したいことがあるんだ」


私は頷いて、お兄ちゃんとともに家に入った。


*****


仕事で忙しい両親は、夜遅くまで帰って来ない。


荷解きを終えたお兄ちゃんがリビングに降りてきて、私はお兄ちゃんに冷たいお茶を出した。


「ありがとう、美羽」