男は額に青筋を浮かべて私に迫る。
だが、私の顔を見ると突然態度を変え、ニヤリと笑った。


「てめぇが相手してくれるってんなら許してやってもいいぜ?」


「……はぁ」


私は大きく息を吐き、男を無視して立ち去ろうとする。


「待てよ!」


男が追いかけて来て、私の肩を掴んだ。
私はその手を振り払い、男の急所に蹴りを食らわせる。


「ぎゃっ!」


男は短く叫んでその場にうずくまり、私はそれを見下ろしながら悠然と告げた。


「ソレ、使い物にならない状態になりたくなかったら、さっさと私の前から消えてくれる?」


「く、くそっ……!」


男は恥ずかしいのか顔を真っ赤にして、その場から退散した。