「私は銀星の側にいたいよ。何があったって大丈夫。傷ついたりしない。……だって、私ひとりじゃどうにかできないことがあっても、銀星や友幸達がいてくれるから。だから、大丈夫」


銀星の目を見て、優しく言い聞かせるように語りかける。
銀星は信じられないものでも見るみたいに目を見開いて、自分の手を握る私の手に触れた。


「……俺は、もうお前を守ってやれねぇんだぞ」


「どうして?銀星はひとりぼっちじゃないんだから、みんなで立ち向かえばいいじゃない。どうして全部自分ひとりで背負い込むの?私達に重荷を分けてくれないの?それとも、銀星にとって私達はその程度の存在なの?」


「そんなわけあるか!」


銀星が突然声を荒らげた。苦しそうに眉根を寄せて、顔を背ける。


「……大事だから、巻き込みたくないんだ。友幸達や、お前のことが……俺は……」


「銀星……」


私は銀星の顔を両手で掴んで、強引に振り向かせた。私の行為に驚いたのか、銀星はぽかんと口を開けて私を凝視している。


「銀星が私達を大事に思うのと同じくらい、私達も銀星のことが大事だよ。銀星、前に私に言ったよね?もっと自分を頼れって。銀星も私達を頼っていいんだよ。銀星の抱えているものがどんなに重いものでも、ちゃんと受け止めるから」


私は気がつくと心から笑っていた。こんなに晴れやかな気持ちになったのは久しぶりだった。
銀星は眩しそうに目を細め、私の顔をじっと見つめる。