「理華の家にいるって」


まさか理華さんの家にいるとは思わなくて、私は目を瞠ったが、今はそんなことを気にしている余裕はなかった。


「理華さんの家まで連れてって」


私が頼むと、ふたりは「わかった」と言って走り出した。
ふたりの後を追いながら、銀星のことを思う。


勝手に自分の女にしておいて、今更私から離れるなんて絶対に認めない。
また元のような関係に戻れたら、今度こそお兄ちゃんのことを聞こう。お兄ちゃんの件は銀星の意思ではないと、今ははっきりとわかるから、ずっと誤解して恨んでいたことも謝ろう。


銀星は私にひとりぼっちで闘う以外の生き方を教えてくれた。だから今度は、私が銀星に教える番だ。


私達は、ひとりぼっちなんかじゃないって。