オオカミボーイフレンド

「……だそうです。姫様、こいつらになんか聞きたいこととかあります?」


「……ひとつだけ聞かせて。銀星があんたらをシメた時、父親のことを銀星に話した?」


私が聞くと、ベータ達は「はい……」と頷いた。


これではっきりした。銀星は、父親が私を狙っていることを知って、私と距離を置いたのだ。


友幸は「邪魔したな」と告げると私の肩を抱いて店を出た。賢翔もそれに続き、店の外に出た私達は顔を見合わせる。


「……これからどうする?多分俺らが銀星の父親に会いに行っても、相手されないと思う。下手すりゃ警察呼ばれて面倒なことになるだろうし」


「そうですよね……せめて、銀星さんの力になれたらいいんですけど。銀星さん、全部ひとりで背負い込んで、どうするつもりなんでしょうか」


「……とにかく、銀星にもう一度会わなきゃいけない。なるべく早く」


私がそう言うと、ふたりも大きく頷いた。