オオカミボーイフレンド

「お前ら、俺のことまで利用して姫様……この人をどうするつもりだったんだ」


賢翔が苛立ちを隠しもせずに問いただす。


「賢翔さんの時は、王の女が邪魔だから息子から引き離してくれって言われて……俺らが直接襲った時は、王の女を自分のところに引き渡せって。それ以上のことは何も知らないです……！」


ベータ達は怯えながら答えた。


私を自分のところに連れて来て、何をするつもりだったのだろう。
やっぱり、私を銀星から引き離したかったとしか思えない。


「志王龍己の連絡先とか知らねぇの？」


「それはわかんねぇっす……会ったのは一度だけで、ある日突然ここに現れて、俺らも金に目がくらんであんまり深くは突っ込まなかったから……それからは、部下の連中がここに来て、俺らに指示を出してました」


友幸の問いかけに、ベータ達は素直に真相を明かした。
ようやく賢翔が振り返り、先程までのオラオラした態度はどこへやら、穏やかな表情で私を見た。