「銀星は何を抱えているの?」


「……知ったら、ほんとに後戻りできなくなるぞ。銀星が背負ってるもんを一緒に背負って生きる覚悟が君にはあるか?」


試すような友幸の言葉に、私は迷わず頷いた。


「私は何の覚悟もなしに銀星を好きだなんて言ってない。元々、私にとって銀星は絶対に好きになっちゃいけない相手だったけど、それでも気持ちを止められなかった。この気持ちを貫くと決めた時から、覚悟なんてできてるよ」


むしろ、銀星への気持ちが私を強くさせていると感じるくらいだ。今なら、何でもできる気がする。


「美羽ちゃんならそう言うと思ってた。よし、今日は授業サボるか!」


友幸は嬉しそうに笑って、私の返事を待たずに歩き出す。


「どこ行くの?」


「とりあえず賢翔のとこ。あいつの力も必要だから」


よくわからないが、私は友幸の後に続いた。
2年の教室に行き、私達の姿を見て飛んできた賢翔を連れて、学校を出る。