すると、銀星と初めて会った時に彼を取り囲んでいた女性のひとりが目の前を横切り、私は慌てて声をかけた。


「すみません、銀星のお知り合いの方ですか?」


振り向いた女性は訝しむように私を見た。


「……そうだけど、貴方は?」


「あ……私、銀星と同じ学校の者です。銀星に会いたいんですけど、どこにも見当たらなくて……」


正直に告げると、女性は少し考え込んだ後、頷いた。


「私も今から銀星に会いに行くところよ。ついてきて」


「ありがとうございます」


私は歩き出した女性の後を追った。


しばらく歩いて辿り着いたのは、開店前のバーだった。


こんなところに銀星がいるというのだろうか。


「銀星、ずっとここには来てくれなかったんだけど、最近また来てくれるようになったの。バーの店主と銀星が知り合いで、開店前によくここに来てたのよね」


女性が説明しながらドアを開ける。