「なんだ、そんなことですかぁ。そんなん気にせず、さっさと銀星さんに告っちまえばいいんですよ!」


「たとえきっかけが学校を変えたいという気持ちだったとしても、銀星を好きな気持ちも本物なんだから、それを銀星に伝えりゃいいんじゃねぇか?」


私はふたりの言葉に面食らったが、確かにまだ気持ちを伝えてもいないのに、どうせわかってもらえないと諦めるなんて、私らしくないと思った。


「……ありがとう、ふたり共。私、もう一回銀星に会って話をしてみる」


「その意気ですよ、姫様!」


「でも気ぃつけてな。今の銀星、だいぶ参ってるみたいだから、また美羽ちゃんを傷つけるかも……」


「大丈夫。何をされたって、私は平気だよ」


心配そうに言う友幸に、私は微笑んだ。


「これ、悪いけどふたりで食べてくれる?」


「えっ、いいんですか?」


「うん。じゃあ私行ってくるね」


私は自分の分のお弁当を持って立ち上がり、歩き出した。