それからどれくらいの時間が経ったのか。


遠くから雷がゴロゴロと音を立て、雨足が強くなる。


その時、ふいに銀星が言った。


「……それが目的で、俺に近付いたのか」


感情を押し殺したような、低い声だった。


「……え」


私は銀星の言葉を否定出来なかった。


確かに最初は、この学校を変えるため……ひいては、銀星に復讐するために彼にタイマンを挑んだからだ。


私の沈黙を肯定ととったのか、銀星は私に近付くと強引に手首を掴み、ブレスレットを引きちぎった。


一瞬何が起こったのかわからず、無惨に床に散らばるブレスレットの欠片と銀星の顔を交互に見た。


銀星は、何故か今まで見たことがないような、寂しそうな目で私を見ていた。


「……っ、ひどい……なんでこんなことするの……?」