外は雨が降っていて、室内は薄暗い。


だが、私はそこに見慣れた背中を見つけた。


銀星が、窓の近くに立って外を見ている。


「……銀星、話があるの」


私が声をかけると、銀星はゆっくりとした動きでこちらを振り返った。


部屋が暗いせいで、どんな顔をしているのかわからない。


だが、私はこれ以上待てなかった。


「この学校のカースト制度を、廃止して欲しい」


はっきりと口にする。


「オメガだとかアルファだとか、そんなものに縛られて学校生活を送るのは馬鹿馬鹿しいと、私は思う。生徒はみんな平等であるべきだって」


銀星は何も答えない。
だけど、今の銀星なら聞き入れてくれると、私は信じていた。


「お願い、銀星。この学校を変えられるのは、あんただけなの」


真摯な思いを込めて訴える。