オオカミボーイフレンド

ドアを開けると、それぞれ昼食をとっている友幸と賢翔が顔を上げる。


「あ、お姫様。来たんだ」


「お疲れ様です!姫様!」


「……こんにちは」


挨拶をして、銀星が座るソファに腰を下ろす。


隣にいる銀星は、何だか眠そうだった。


私は銀星に「はい」と言ってお弁当を差し出す。


いつからか、私は昼食を食べようとしない銀星にお弁当を作って、食べさせるようになっていた。
銀星は眠そうな目でお弁当を受け取り、蓋を開けて箸をつけた。


「相変わらず美味そうだなぁ。銀星、ちょっと分けてよ」


友幸がおもむろに銀星のお弁当に手を伸ばすが、銀星はその手を鬱陶しそうに振り払う。


「やらねぇよ」


「はいはい、相変わらず仲良しだな」


友幸の軽口に、私の頬が熱くなる。