オオカミボーイフレンド

「……銀星は、兄弟いるの?」


恐る恐る聞いてみる。
銀星は少しの間を置いてから、「……いる。弟がひとり」と呟いた。


聞いておいて何だが、少し意外だった。
何となく、銀星はひとりっ子のような気がしていたから。


「……そうなんだ。いくつなの?」


「今年で10歳」


「かわいい?」


「……生意気」


私の肩にもたれた銀星の顔は、私からは見えない。
だから、銀星が今どんな顔をしているかわからなかった。


「……そっか。話してくれてありがとう」


私はとりあえずお礼を言って、話を切り上げた。
少しだけでも銀星のことが知れて、嬉しかった。