オオカミボーイフレンド

会話が終わってしまった。


昨日のデートの帰りから、銀星はあまり話さなくなった気がする。元々よく話すほうではないけど、どこか距離を感じてしまうのは気のせいだろうか。


……私は、銀星のことを何も知らない。


お兄ちゃんの生徒だった頃、なぜ彼が事件を起こしたのかも、私は知らない。


知ろうともしなかった。


ただ、私やお兄ちゃんにいつも無関心な両親が、銀星が起こした事件を揉み消すためにお兄ちゃんが学校を辞めさせられたと珍しく怒りながら言っていたのを聞いただけで。


銀星のことだから、理由なんてないのかもしれないけど……もしかしたら、ただイライラしたからとか、そんなくだらない理由かもしれないけど。


でも、それでも私は事件の真相を知りたいと思った。


そして、今の銀星なら私が説得すれば王としての在り方も変えてくれるんじゃないかって、そう期待してしまうのだ。