「例のベータ、ちゃんと大人しくさせたみたいだね」


「ああ、賢翔に君を閉じ込めるように吹き込んだのも奴らだったから、賢翔が奴らの溜まり場を銀星に案内して、一網打尽にしたんだよ」


「そうだったの?」


友幸の言葉に、私は驚いた。
当の賢翔を見ると、申し訳なさそうに縮こまっている。


「はい……隠すつもりはなかったんですけど。でも姫様がまた襲われたと聞いて、さっさと白状するべきだったと後悔してます。ほんとにすみません……」


「……別にいいよ。なんともなかったんだし」


頭の怪我も少し冷やしたらすぐに治ったし、あの程度の相手なら銀星によって壊滅に追い込まれれば、もう再び立ち上がることはできないだろう。


そう思って銀星のほうを見ると、銀星は眉間にしわを寄せて難しそうな顔をしていた。