「雫ちゃんは雨が好きなの?
私はやっぱり雨が苦手だな。」

「うーん、逆に何で雨のことを嫌うの?」

「雨が降ると行事が中止になって
悲しいからかな。」

「でも、雨は私達の嫌いな行事も
中止にしてくれるよ。」

「雫ちゃんはどうして雨が好きなの?」

「雨の降る音が好きなの。
花火の開花する前の音みたいで。」

「うん。」

「それに、大雨だと
滝に打たれている気分になって
気が引き締まるの。」

「雫ちゃんの価値観は分からないな。
だけど雫ちゃんにはきっとこの世界が
美しく見えているんだろうね。」

「うん。」