「姫!エレノア様!」 「!」 まるで気を失った様に立ち尽くしていたエレノアをゼノは揺さぶった。 「ご、ごめん…なんだかあの人の雰囲気に圧倒されちゃって」 「でしょうねぇ…まさかあんなこと言われるなんて、誰もが想像してなかったでしょうから」 苦笑してゼノは皇帝を見る。 「あの様子じゃ、誰も近づけないだろうな」 皇帝は玉座に座り、独りでワインを呑んでいる。