コツコツ…
鎮まった広間に複数の足音が響いた。
「皆様、遠路遥々我がドルーア帝国へようこそお集まり下さいました。わたくしはドルーア帝国皇帝クロノス様の側近、ネイファと申します。」
深い森のような髪色をした26、7歳くらいであろうネイファと名乗る男は、広間の壇上へ上がりこう告げる。
「ご存知、クロノス皇帝は一ヶ月前に皇帝に即位したばかり。先代皇帝とは違い、妃をいまだ娶っておりません。
しかし皇帝になった今、この国をより豊かにするには皇帝と肩を並べて世を統べる素晴らしい皇后が必要です」
広間にいる他国の姫達は皆固唾を飲んでネイファの話を聞き入った。
「皆様の中にきっと、皇帝がお気に召す姫がいると信じております」
その話を聞き、エレノアは笑顔でゼノに耳打ちした。
「ねね、これって…もし皇帝の側室になれなかったら、国に帰れるってこと?」
「姫…喜んでる場合ではないです。もし側室に選ばれなかったら貴女は我が国の姫として
“役に立てなかった”というレッテルをはられ惨めな人生をおくることになりますよ」
「そ…そんなぁ…」
エレノアは肩を落として俯いた。
_こんなに他国の姫がいて…わたしなんか埋もれちゃうに決まってるよ…皇帝はどんな風に見て選ぶのかなぁ…
鎮まった広間に複数の足音が響いた。
「皆様、遠路遥々我がドルーア帝国へようこそお集まり下さいました。わたくしはドルーア帝国皇帝クロノス様の側近、ネイファと申します。」
深い森のような髪色をした26、7歳くらいであろうネイファと名乗る男は、広間の壇上へ上がりこう告げる。
「ご存知、クロノス皇帝は一ヶ月前に皇帝に即位したばかり。先代皇帝とは違い、妃をいまだ娶っておりません。
しかし皇帝になった今、この国をより豊かにするには皇帝と肩を並べて世を統べる素晴らしい皇后が必要です」
広間にいる他国の姫達は皆固唾を飲んでネイファの話を聞き入った。
「皆様の中にきっと、皇帝がお気に召す姫がいると信じております」
その話を聞き、エレノアは笑顔でゼノに耳打ちした。
「ねね、これって…もし皇帝の側室になれなかったら、国に帰れるってこと?」
「姫…喜んでる場合ではないです。もし側室に選ばれなかったら貴女は我が国の姫として
“役に立てなかった”というレッテルをはられ惨めな人生をおくることになりますよ」
「そ…そんなぁ…」
エレノアは肩を落として俯いた。
_こんなに他国の姫がいて…わたしなんか埋もれちゃうに決まってるよ…皇帝はどんな風に見て選ぶのかなぁ…



