双子の異世界・金色のはなびら

丁寧に他国の姫は教えてくれた。


「クロノス皇帝はね、ほんの一ヶ月前に即位したばかりなの。先代皇帝が亡くなってね。
だからまだ一人も妃を迎えてないらしいわ…というか皇子だった時でさえ一人も妃をめとらなかったらしいの」


「な、何故?」

「そんなのわたくしが知るわけないわ」

「あ、そうですよね…ごめんなさい」

「考えられるとすれば、帝国は強いし、戦にしか興味がないか、心に決めている姫が密かにいるか…男色か」

「だ、だんしょく?」

聞いたことのない単語にキョトンとしているエレノアに、他国の姫は耳打ちした。


「男が好きってこと」



「ぇ、ええぇーーーーーー!!!(°Д°)」



エレノアの声が広間中に響き渡った。

ざわついていた広間は一気に静まり、その視線はエレノアに集まった。

「ば、ばか!姫様!」

ゼノは慌ててエレノアの口をふさいだ。