もはや旅団の一員のミネルアは、洗濯や掃除など家事が主な仕事だ。

小さな頃はヴォルス達の後ろで簡単な手伝いをしていたが、最近は一人で任されるようになった。


ミネルアが美しいのは見た目だけじゃなかった。

皿を洗ったりするような普通の所作も丁寧。

もとは活発な少女が、いつの間にか女の雰囲気を出す様になってきた。



「お前って、元は貴族か何か?」


「え?」



小さな声でヴォルスは聞いてきた。

唐突な質問にミネルアの手が止まる。

そして恥ずかしそうに笑ってごまかした。

「ハハ・・こんな私でも、一応皇女なんだよね。帝国の・・」


ガシャ。パリン。

ヴォルスの手から皿が落ちた。そして割れた。


「そ、そんな驚かなくても」


「いや、なんか頷ける・・・そうか・・帝国・・」


生まれながらの血統。

化粧をしなくても整った顔だちに納得した。

そしてマズイと思った。