数分後、道を外れた場所に河がありそこにはテントが数個張ってあった。


「お前ら何処に行ってたんだ」


そう言って気のよさそうな40代くらいの初老の男がテントから出てきた。

ガタイが良く筋肉質でムキムキしている。一見強面だ。


「ちょっと人助けに」


「人・・んえ!?」



ヴォルスの連れているミネルアにその男は釘付けになった。



「ヴォルスお前その子・・なんて・・」


ガタイの良い体がわなわなしている。


「この子は人攫いにあって助けた所で・・」


と説明してる間もなく、男はミネルアを抱き上げた。


「あっ・・」


「なんて可愛いんだ!!・・ていうか・・うぅ・・あどけなさがあいつに似てる!」


急に喜んだかと思うと、ミネルアを見つめながらいきなり涙を流し始めた。


ミネルアは突然の事に驚きっぱなしで固まっている。


「俺の子に似てる・・可愛い・・可愛いよおお」


「ハハ・・なんかこうなる予感がしてた」

「そうだな。てか、全然似てないけどな。娘さんに」


クルーガはそれを見て空笑いをしている。

ヴォルスも同調する様にコクリと頷いた。

2人は状況を説明した。

「団長、その子どこで攫われたのかもわからないらしくて、
まだ小さいし地理や知識も疎くて・・」

「どうにも出来ないし、家がわかるまでおいてもいいですか?」


とヴォルスとクルーガは口を揃えた。



「もちろんだ!お嬢ちゃんは名前なんていうんだぃ?」



男がキラッキラの瞳で聞いてきたので、ミネルアはおずおずと引きつつ答えた。


「ミネルアです」


「そうかミネルアか、じゃあミィちゃんて呼ぶからね!おじさんをお父さんと思ってくれていいから!」


「おとう・・さん?」


きゅん!


「はうう( ;∀;)運命を感じる。これはもしや神様のお導き・・」


もちろん勝手に感じてるだけだ。