黒翼の淡恋

「ったくどいつもこいつも無能」


ぶつぶつ言いながらシリウスは朝食を貪る。


「だって、あんな場面誤解するに決まってますよぉ」


「俺がそんな事するわけねぇだろが」


シリウスは怒ると急に口が上品でなくなる。

今更だが。


「ごめんなさい。フォルト、さん・・」


「いい加減、さんを後付けするのやめてください」


ティファはしょんぼりしながら静かにご飯を食べた。


「ところで、セシル様がシリウス様と釣りに行きたいとおっしゃってましたよ」


「唐突だな」


「先ほどこの部屋近くまでいらっしゃいまして・・。今日は政務もお休みですし、いかがですかと」


「・・・」


シリウスはティファをチラ見すると


「やめておく」


「え?何故です?予定がありましたっけ?」


「こいつがいる」


「ああ、確かに・・」


フォルトもティファをチラ見して頷いた。


「行ってくればいいんです。私はここでジッとしていますから」


ティファは気を使ってみたがすぐに拒否された。



「駄目だ。何が起こるかわからんしな」

「そんな事言ってると、今後何処にも行けなくなりますよ。私が死ぬまで何も出来ないままですよ?
それに兄弟の信頼もなくなりますよ」


「・・言うな、お前」


何処か吹っ切れた様な言い方のティファだった。


_私はここで大人しくしてればいい。シリウス皇子が帰ってくるまで。それだけでいいんだから。