黒翼の淡恋

髪をタオルで押さえながらシャワールームから出てきたシリウスはそれを発見することになった。


「・・・こいつ」



自分にまったく気が付かず、上着を羽織って眠っている。


「何やってんだ。」


ため息をつくと、そのままティファを持ち上げた。

ベッドに運んで布団を被せた。


暫く近くでティファの顔を見つめた。



_災難だな。俺も、こいつも。



「ん・・」


寝返りを打って、横向きになった。

気持ちよさそうに眠っている。

シリウスはその小さな頭を撫でた。



_黒髪ってだけで・・本当に・・災難だな。



「シリウ・・」


名前を呼ばれドキッとした。

起きているのかと思ったが寝言らしい。


頭を撫でるのをやめソファに向かおうとしたが、その手を掴まれた。


_こいつやっぱり起きて!?



「おかあさ・・何処」


「!」


ぽろり。

まぶたは閉じられている。

でもそこから涙が一粒零れた。


「ち・・」


シリウスは座り直し、もう一度ティファの頭を撫でた。


「・・会いたいよ」



その言葉に心臓がびくりと跳ねる。

ティファを見つめるシリウスの瞳は意味深だった。




_お前の母親は・・・

もう何処にもいない。






死んだからな。