「そんなに喜ばれてもな。お前と仲良くしたいわけじゃない」


そんな風に冷たくあしらわれ、

がん。と岩が頭に落ちてきたような錯覚に陥った。



_・・うん、そうだよね。得体の知れない魔女の疑いがある私なんて。わかってるけどなんか悲しい。



「お願いします。教えてください。この黒髪の事・・魔女・・の事」


「・・・」


「何も知らないまま、ずっとモヤモヤしているの嫌なんです!お願いします!」


膝をつき、懇願した。

どうしても知りたかった。

記憶がない分、わからないことは全部知っておきたかった。


「私は人を殺したいなんて思っていません。絶対です!」


「口では何とでも言えますよ」


とすぐにフォルトが言葉をかぶせてきた。


「本当です!私は・・」


「煩い。静かにしろ。教えてやる」


「あ・・ありがとうございます」


ティファはシリウスの前でもう一度深くお辞儀をした。

相変わらず冷たい口調だったがそれはどうでも良かった。

とにかく何も知らないという事から脱したかった。