黒翼の淡恋

ティファは立ち上がり、兄を引き連れて自分から背を向けた。

思わずシリウスは手を差し伸べていた。


「まて、ティファ。行かなくていい」


「・・・」


一度は足を止めたが、ティファは振り返らずに歩き続けた。


「ティファ・・」


シリウスはその手を強く握りしめた。

悔しかった。


_俺は約束したんだ。蔑まれ陰で生きてきたお前を・・お前の人生を変えてやりたいと・・。


あの時。



「行くな・・」


段々と小さくなっていく姿が消えるまで、ずっと眺めていた。