黒翼の淡恋

兄は動揺し訴えた。


「何で!?ずっとずっと、思い描いて来ただろう!?母さんはこいつに殺されたんだ!だから二人で必ず仇を取ろうって!!」


「無駄なのです・・。仇討ちなんて」


「なっ!?」


「言いましたよね?この方は私を解ろうとしてくださっていた。黒髪だからといって差別することもなく・・むしろ・・城での生活を与えてくださった」


「で、でもさぁ」


ひゅっ

と風を切る音が鳴った。

ティファの手刀が兄の首にぴたりと止まった。


「兄さん、兄さんが何処かで貰ってきた薬。力を増強する薬のおかげで記憶を無くし、思い直すことが出来ました。感謝します」


ごくり。

ティファの脅迫に兄は喉を鳴らした。

本来のティファの武術は兄を遥かに凌ぐものだからだ。

周りには明らかに妹が兄を脅している様に見えた。


「帰りましょう。家に」


「あ、ああ。ティファがそう言うなら・・仕方ないな」