黒翼の淡恋

「ティファはどの仲間よりも強いのに、こんな風にしたお前だけは許さないよ」


激しいぶつかり合いが続く。

男の動きは異常に速い。高揚し、筋も浮き出ている。恐らく薬を使っているのだろう。

シリウスは男のナイフを受け止めるので精一杯だった。


「くっ」


「どうした?皇子様、守ってばかりだなぁ!!?」


鉄と鉄がぶつかり合う音。

それはティファの耳にもしっかりと届いていた。


「う・・」


「ティファ、大丈夫ですか!?腕から血が出ています」


「う・・あぁ・・」


_ヤメテ!!ヤメ・・・


痛む腕を抑え、手についた血を見た瞬間だった。



「あああっ」


「ティファ!?」


突然のティファの奇声にフォルトは動揺した。


_頭が痛い!!吐き気がする!目が回る!!これは・・・何?



「や・・めて・・・もう・・にい・・さん」


「!!!」



フォルトはその場で強張った。

ティファの目が真っ赤に染まったのだ。


「にい・・さ・・・やめて・・」