黒翼の淡恋

「私はさっそく警備の隊長たちに知らせてきます。すぐに戻りますので」


フォルトは足早に部屋から去っていった。

がくんとティファはその場に崩れ落ちた。


「おい、何をしてる」


そのままシリウスの前に頭を下げた。


「お願いします。私・・行きたくない」


「ティファ・・」


「怖い・・」


シリウスと離れる事が何よりも嫌だった。


「お願いします!お願い!!!」


シリウスは深く息を吸い、ストレスを吐き出すように息を吐いた。


「記憶がなくて辛いのはわかる。だが、身内が来れば何か思い出せるかもしれないだろう」


そう言われ、吐き気すら覚えるほどに体が拒絶した。


「いやです。離れたくない」


「ティファ?」


「シリウス皇子から離れたくない!」


「・・・」


思わず言ってしまった言葉。

もう撤回は出来ない。