黒翼の淡恋

手紙を怪訝そうに見つめるシリウスとフォルト。

それを怯えつつ見守るティファの姿があった。


「迎えか・・」


「迎えって、ここに?」


「わ、わかりません・・」


もちろん差出人の名前などない。


「思い出した記憶と一致するな」


「はい・・」


「お前を知る誰かが、今夜迎えに来る。この城に侵入してくるという事か」


「恐らくそうでしょうね・・。警備を増やしましょう」


フォルトも険しい顔を崩せない。


「これを見ても、何も思い出せないか?」


「はい」


「そうか・・」


シリウスはその手紙を破り捨てた。


「まあ、誰が来ようとかまわない。状況次第では応戦するし、お前を受け渡す」


ドクン


「え・・?」


その言葉に衝撃を受けた。


「わざわざ迎えに来ると言っているんだ。お前の身内だろう」


「そう・・だけど・・でも」


「お前も覚悟しておけ、いいな」


_覚悟・・?ここを離れる覚悟ってこと?



それが何よりも恐怖だった。