SNSができない理由

でも今、目の前で男性に行く手を遮られて、名前を聞かれていて体が自然と震えていました。そして、このまま自分はどうなってしまうのだろうと不安に駆られます。

よく不審者と遭遇したら声を上げろと言われますが、そんなことできませんでした。声は出そうとしても喉から出すことができず、まるで声そのものを失ったかのようでした。

それから、どれだけ時間が経ったのかわかりません。しびれを切らしたのか、男性が「どうぞ」と道を開けてくれて私は逃げるように走って男性の横を通り過ぎました。でも、恐怖で心臓はバクバク動き、これ以上ウォーキングを続けようとは思いませんでした。

少し進んでから声をかけられた場所に戻ると、男性たちはいませんでした。私はすぐに走りました。まだ近くにいるかもしれないので、とりあえず明るいところまでは走ろうと決めたのです。

途中で懐中電灯を落とし、懐中電灯は壊れて使い物にならなくなっても、息ができなくなって苦しくなっても、私は走り続けました。男性たちが追ってくるかもしれない、そう思うと怖くて足を止められなかったからです。