おずおずと花瓶の前まで行き、紫色のフワフワしたドレス姿の妖精に声をかける。
「あの……こんにちは。私はサマラ。あなたのドレス、とっても綺麗ね」
すると妖精はニコッと微笑んで小さな羽で羽ばたき、ゆっくりとサマラの顔の前を漂った。蜂蜜のような甘い香りがフワッと鼻を掠める。
「褒めてくれてありがとう。私はヒースの精よ。あなたのドレスもとっても素敵、私の色と似ているわ」
「ヒース……。お庭にいっぱい咲いてるわね。紫色のお花畑がすごく綺麗」
「ふふっ」
ヒースの精ははにかんで笑うと、花びらのようにサマラの顔の周りを舞って頬にチュッとキスをした。なんだか友達が出来たみたいで嬉しくて照れ笑いをすると、ヒースの精は今度はサマラのこめかみにキスをする。するとサマラの耳の上に紫色のヒースの花が髪飾りのように差し込まれた。
「わあ、可愛い!」
壁に掛けてある鏡でそれを見たサマラは、大喜びでヒースの精にお礼を言う。はしゃいでいるサマラが気になったのか風の精たちも再び寄ってきて、サマラの周りを舞い始めた。
「素敵な髪飾りだね! せっかくお洒落をしたんだから踊ろうよ」
「ほら、私たちと一緒に回って!」
「踊りましょう、サマラ! 今夜は満月、妖精は踊りたくなるの」
どうやら無邪気が過ぎるだけで、風の精も悪い子たちではないようだ。
いつの間にか増えた風の精やヒースの精が、サマラの周りをキラキラと回る。気がつくと足もとに赤い蜥蜴もいて、サマラはうっかり踏まないように慌ててジャンプした。
(なんだろう、すごく楽しい。夢みたい……)
「あの……こんにちは。私はサマラ。あなたのドレス、とっても綺麗ね」
すると妖精はニコッと微笑んで小さな羽で羽ばたき、ゆっくりとサマラの顔の前を漂った。蜂蜜のような甘い香りがフワッと鼻を掠める。
「褒めてくれてありがとう。私はヒースの精よ。あなたのドレスもとっても素敵、私の色と似ているわ」
「ヒース……。お庭にいっぱい咲いてるわね。紫色のお花畑がすごく綺麗」
「ふふっ」
ヒースの精ははにかんで笑うと、花びらのようにサマラの顔の周りを舞って頬にチュッとキスをした。なんだか友達が出来たみたいで嬉しくて照れ笑いをすると、ヒースの精は今度はサマラのこめかみにキスをする。するとサマラの耳の上に紫色のヒースの花が髪飾りのように差し込まれた。
「わあ、可愛い!」
壁に掛けてある鏡でそれを見たサマラは、大喜びでヒースの精にお礼を言う。はしゃいでいるサマラが気になったのか風の精たちも再び寄ってきて、サマラの周りを舞い始めた。
「素敵な髪飾りだね! せっかくお洒落をしたんだから踊ろうよ」
「ほら、私たちと一緒に回って!」
「踊りましょう、サマラ! 今夜は満月、妖精は踊りたくなるの」
どうやら無邪気が過ぎるだけで、風の精も悪い子たちではないようだ。
いつの間にか増えた風の精やヒースの精が、サマラの周りをキラキラと回る。気がつくと足もとに赤い蜥蜴もいて、サマラはうっかり踏まないように慌ててジャンプした。
(なんだろう、すごく楽しい。夢みたい……)



