「そんなの気まぐれよ。ディーが帰ってきたからいい子ぶってるだけよ」
好き放題話す妖精たちのお喋りに、サマラはカーっと顔を赤らめる。
(この子たち、私のことをずっと知ってたの? ていうか、そんな話ディーに聞かれたら困る!)
しかしディーは妖精のお喋りなど気にしていないようで、ポケットから出した赤い石の欠片を、蝋燭の周りいる赤い蜥蜴に食べさせていた。
(あ、いつの間にか手離されてる)
握られていた手も離されているし、目も開いている。なんだか体がフワフワして現実感がないと思いながら、サマラはそっと立ち上がった。
「こ、こんにちは。あなたたちはもしかして風の精?」
お喋りな三人組の妖精に声をかけると、ものすごく嬉しそうに微笑まれた。
「わあ! 意地悪サマラが『こんにちは』だって! あはは、僕は口を利かないよ!」
「『風の精?』ですって! あははは! 教えてあーげない!」
「私はどうしようかな。ディーの娘だもんね。うーん、でもやっぱりやーめた、あなたとはお喋りしない」
(はぁ!? 何? 妖精ってクッソ性格悪いの!?)
挨拶もしてくれない妖精に怒って頬を膨らませるが、どういうわけか三匹はサマラの周りを飛び交って離れようとしない。からかわれているようでサマラはイラっとする。
「風の精は人懐っこいが悪戯好きだ。魔力の低い者は馬鹿にされるぞ。花の精なら人好きで優しい。容姿を褒めてやると喜ぶから褒めてやれ」
サマラの様子を見ていたディーがそう言って花瓶の方を指さす。どうやら花瓶の縁に座っていたのは花の精のようだ。
好き放題話す妖精たちのお喋りに、サマラはカーっと顔を赤らめる。
(この子たち、私のことをずっと知ってたの? ていうか、そんな話ディーに聞かれたら困る!)
しかしディーは妖精のお喋りなど気にしていないようで、ポケットから出した赤い石の欠片を、蝋燭の周りいる赤い蜥蜴に食べさせていた。
(あ、いつの間にか手離されてる)
握られていた手も離されているし、目も開いている。なんだか体がフワフワして現実感がないと思いながら、サマラはそっと立ち上がった。
「こ、こんにちは。あなたたちはもしかして風の精?」
お喋りな三人組の妖精に声をかけると、ものすごく嬉しそうに微笑まれた。
「わあ! 意地悪サマラが『こんにちは』だって! あはは、僕は口を利かないよ!」
「『風の精?』ですって! あははは! 教えてあーげない!」
「私はどうしようかな。ディーの娘だもんね。うーん、でもやっぱりやーめた、あなたとはお喋りしない」
(はぁ!? 何? 妖精ってクッソ性格悪いの!?)
挨拶もしてくれない妖精に怒って頬を膨らませるが、どういうわけか三匹はサマラの周りを飛び交って離れようとしない。からかわれているようでサマラはイラっとする。
「風の精は人懐っこいが悪戯好きだ。魔力の低い者は馬鹿にされるぞ。花の精なら人好きで優しい。容姿を褒めてやると喜ぶから褒めてやれ」
サマラの様子を見ていたディーがそう言って花瓶の方を指さす。どうやら花瓶の縁に座っていたのは花の精のようだ。



