転生悪役幼女は最恐パパの愛娘になりました

ディーは魔法大臣としてDanuの解体を国王に上奏した。
もし今後もDanuを存続させるというのなら、彼らのしてきた非人道的な研究を世界中に公開するという、半ば脅迫付きで。

再び救国の英雄となったディーの影響力は計り知れない。おまけにレヴとリリザという強力な若き魔法使いも増えて、今やバレアン王国での魔法使いに対する国民の支持率は過去最高に昇っている。
そんな中で魔法使いの頂点に立つディーを敵に回すことが、どれほど愚かなことか。
国王は渋々ながらディーの提案を受け入れ、極秘裏にDanuを解体した。

ザハンをはじめ反対する者、ディーを恨む者もいたが、国王直属の組織が国王の命令を聞かないわけにはいかない。
こうしてDanuは解体され、レヴはアリセルト家に引き取られることとなった。

ただしディーはレヴを戸籍に入れず、被後見人とした。
何故だろうとサマラは不思議に思ったが、もしや将来レヴがサマラと結婚する可能性を考えて戸籍に入れなかったのかもと考え、恥ずかしくて真相を訪ねることは出来なかった。



そんな経緯があり、レヴは今サマラと一緒に暮らしている。
とはいえアリセルト邸は広い。年頃の娘を心配するディーのはからいによりサマラの部屋とレヴの部屋は対角上に位置し一番離れているので、顔を合わせるのは食事のときと、一緒に研究所へ向かうときぐらいだが。

それでもサマラはひとつ屋根の下でレヴと暮らせることが嬉しい。
前世でも経験したことのなかった初めての男女交際は清く正しく順調で、家族であるディーとの関係も良好で、そして何よりもう破滅フラグに怯えなくてもいいのだ。
サマラは今が人生のピークではないかとさえ思う。