さらに奥へ進むと妖精や幻獣など現世の生物に近い生き物はいなくなり、形容しがたい生き物が多くなってくる。風景も岩や火山や黒い海などおどろおどろしい景色が続き、サマラはだんだんと気分が悪くなっていく。
「気持ち悪……、おえっ。なにこれ、ひどい二日酔いみたい」
頭がクラクラして吐き気が止まらない。やはり生きたまま人間が来るような場所ではないのだと痛感する。
辺りはどんどん暗くなっていき、もはや動いているものは生命体かどうかもわからない。呻き声のような強風のような謎の轟音が響き続け、サマラはそれだけで気が狂いそうになった。
(きっつ……! 頭の中グチャグチャに掻き回されてるみたい……全身が痛くて気持ち悪くて……死にたい……)
希死念慮が湧き上がり膨れ上がっていく。落ちないように必死にカラドリオスを掴んでいた手から力が抜けそうになったときだった。
――サマラ!!
頭の中にディーの呼ぶ声が鮮やかに響き、同時に杖のブルーベルが淡い光を放つ。
「お父……様……」
杖の光がサマラを包み、途端に頭と体が楽になった。思考も正常に戻って希死念慮が消えていく。
(お父様が守ってくれてるんだ……)
回復したサマラは背筋を伸ばし力強く杖を握り直した。目を閉じ意識を集中させ、奥に潜むレヴの魂の気配だけに集中する。
「待ってて、レヴ。今行くから」
ディーの加護がよほど強いのか、おかげでサマラとカラドリオスは無事に常世の奥まで進むことが出来た。
「気持ち悪……、おえっ。なにこれ、ひどい二日酔いみたい」
頭がクラクラして吐き気が止まらない。やはり生きたまま人間が来るような場所ではないのだと痛感する。
辺りはどんどん暗くなっていき、もはや動いているものは生命体かどうかもわからない。呻き声のような強風のような謎の轟音が響き続け、サマラはそれだけで気が狂いそうになった。
(きっつ……! 頭の中グチャグチャに掻き回されてるみたい……全身が痛くて気持ち悪くて……死にたい……)
希死念慮が湧き上がり膨れ上がっていく。落ちないように必死にカラドリオスを掴んでいた手から力が抜けそうになったときだった。
――サマラ!!
頭の中にディーの呼ぶ声が鮮やかに響き、同時に杖のブルーベルが淡い光を放つ。
「お父……様……」
杖の光がサマラを包み、途端に頭と体が楽になった。思考も正常に戻って希死念慮が消えていく。
(お父様が守ってくれてるんだ……)
回復したサマラは背筋を伸ばし力強く杖を握り直した。目を閉じ意識を集中させ、奥に潜むレヴの魂の気配だけに集中する。
「待ってて、レヴ。今行くから」
ディーの加護がよほど強いのか、おかげでサマラとカラドリオスは無事に常世の奥まで進むことが出来た。



