ゲームではおそらくサマラが、そして今はリリザが、デタラメな配合で作った『魔力を異常に増大させる薬』だ。
「あ……っ、ああ……! なんだこれ……っ」
薬にまみれたレヴが苦しそうに呻き、鎖に繋がれた手足でもがく。
燭台の炎が大きく燃え上がり、窓もないのにつむじ風が起こる。壁の隙間から木の根が伸び、足もとにはいつの間にか水が溢れていた。
「レヴ!!」
ただでさえ人並み外れたレヴの魔力が凄まじい勢いで増大し、制御しきれずに溢れだしていく。
レヴは必死に自分の魔力を抑えようと歯を食いしばっていたが、突然「うわあぁぁっ!!」と絶叫した。
「来るな! くそっ! お前は来ちゃ駄目だ!!」
何かに抗うようにレヴは全身を暴れさせた。鉄の枷が手足に食い込み皮が剥けて血が流れだす。
「レヴ!?」と叫んで鉄格子を掴んだサマラは、影が彼の足を真っ黒く染め上げていくのを見た。
その黒い影が放つおぞましい気配を、サマラは知っている。これは――。
「や……闇魔法……」
溢れ出すレヴの魔力を吸収して、深淵の精霊がその力を増大させていく。魔力の源であるレヴを体ごと、魂ごと取り込もうと蝕んでいく。
レヴの体はみるみる間に闇に取り込まれ、影のように真っ黒になった。それはやがて霧が広がるように増大していき、醜く歪み棘や角などを生やし異形を成した。
最後に抗うように残っていた金色の瞳が、サマラを見つめる。
耳まで裂けた口が不気味に開き、「逃げろ……」とだけ言って、獣の唸り声に変わった。
「い、嫌……、こんなの……どうして……」
「あ……っ、ああ……! なんだこれ……っ」
薬にまみれたレヴが苦しそうに呻き、鎖に繋がれた手足でもがく。
燭台の炎が大きく燃え上がり、窓もないのにつむじ風が起こる。壁の隙間から木の根が伸び、足もとにはいつの間にか水が溢れていた。
「レヴ!!」
ただでさえ人並み外れたレヴの魔力が凄まじい勢いで増大し、制御しきれずに溢れだしていく。
レヴは必死に自分の魔力を抑えようと歯を食いしばっていたが、突然「うわあぁぁっ!!」と絶叫した。
「来るな! くそっ! お前は来ちゃ駄目だ!!」
何かに抗うようにレヴは全身を暴れさせた。鉄の枷が手足に食い込み皮が剥けて血が流れだす。
「レヴ!?」と叫んで鉄格子を掴んだサマラは、影が彼の足を真っ黒く染め上げていくのを見た。
その黒い影が放つおぞましい気配を、サマラは知っている。これは――。
「や……闇魔法……」
溢れ出すレヴの魔力を吸収して、深淵の精霊がその力を増大させていく。魔力の源であるレヴを体ごと、魂ごと取り込もうと蝕んでいく。
レヴの体はみるみる間に闇に取り込まれ、影のように真っ黒になった。それはやがて霧が広がるように増大していき、醜く歪み棘や角などを生やし異形を成した。
最後に抗うように残っていた金色の瞳が、サマラを見つめる。
耳まで裂けた口が不気味に開き、「逃げろ……」とだけ言って、獣の唸り声に変わった。
「い、嫌……、こんなの……どうして……」



